エルダー・スクロールズ・オンライン goldroad

スタジオディレクターからの手紙:2025年とその先

ZeniMax Online StudioのスタジオディレクターであるMatt Firorが、『The Elder Scrolls Online』での貴重な1年を振り返り、2025年とその先にゲームで起こる大きな変更について離します。

 

『The Elder Scrolls Online』コミュニティへようこそ! 今年も終わりに近づいています。2024年の推移、2025年の展開とコミュニティの変化する需要にESOがどう応えるかについて、考えをお伝えしたいと思います。 

まず、2024年について少し触れさせてください。毎年言っているかもしれませんが、私は2024年の『ESO』コンテンツがとても気に入っています。『ゴールドロード』の雰囲気やストーリーも大好きですし、「ホームツアー」ではたくさんの皆さんの家が見られるようになったおかげで、本気で「メリーヴァインの屋敷」を自分でメインの家にすることを検討し始めてしまったほどです。もっとも、そう簡単に「モウルノス砦」を離れるわけにはいかないのですが。2024年は、私たちが今もプレイヤーのために素晴らしいコンテンツを作り続けていることを示してくれた年となりました。そんな今年の締めくくりとして登場したのが、二人の新しいコンパニオンで、現在、私はゼリス・バーと冒険を共にしています(彼との旅は始めたばかりですが)。他にも2024年の最後を飾るものとして、バトルグラウンドに加えられた楽しいアレンジなど、数多くの要素が登場しました。2024年のコンテンツやアップデートを振り返ると、非常に満足できるストーリーやコンテンツ、システムアップデートの数々をお届けできたと思います。

4月にアムステルダムで開催された10周年記念イベントでは、ファンの皆さんと直接お会いして素晴らしい時間を過ごしました。また、私は参加できなかったのですが、7月にドイツで開催されたESO Tavernでもチームのメンバーが楽しい時を過ごしたようです。他にも1年を通じて小規模な地域のコミュニティイベントを行いました。中には初開催となった地域もあります。各イベントでは、『ESO』のファンたちが集い、タムリエルで分かち合った時間について語り合いました。

では、そろそろ未来に目を向けましょう。この年末のメッセージの中心となるテーマです。変化は絶えず訪れます。特にゲームの世界では顕著です。業界が変化し、プレイヤーの嗜好が変わり、他のゲームが現れては消えて行きます。2014年に『ESO』がリリースされてからも、常に状況は変化していました。私たちは必要であれば大きな決断をして、大幅な変更を加えながら、時代に取り残されず仕事を続けることができました。ここに至るまでの変化を振り返ると、私たちが我々のゲームに、全体としては適切な時期に適切な判断をしてきたことは明らかです。そして今、私たちは2025年の到来と、『ESO』を時代に適応させ、素晴らしさと魅力を維持するためにどういった変化をもたらせるかを楽しみにしています。 

2017年以来、私たちは毎年素晴らしいコンテンツとシステムをリリースしてきましたが、スケジュールは常に同じでした。この例年の流れにより、チームは毎年6月までという短い期間に集中してシステム、コンテンツ、ゾーンなど、あらゆる種類のものを同時に仕上げなければならない状況に置かれていました。そのため実験をして、違うやり方について考える時間はあまりありませんでした。

昨年末、現状に変化をもたらすことについて少しだけお知らせしました。企画から実施に至るまでの準備期間はとても長いため、この変化の一部については、その時点ですでに計画へ取り掛かっていました。そしていよいよ2025年から、コンテンツのリリースに新たなアイデアや方法が導入されることをここにお知らせいたします。 

 

チャプターのページをめくる 

2017年の『モロウウィンド』を皮切りに、ちょうど半年前の『ゴールドロード』まで、私たちは毎年強力な新しいチャプターをリリースし、大成功を収めてきました。年1回のチャプターリリースモデルが示すように、ゾーンデザインとクエスト/コンテンツは全ての『エルダー・スクロールl』シリーズの核をなすものです。今後もストーリーコンテンツは数多く制作する予定です。しかし今、2025年の市場に目を向けると、私たちはあらゆるタイプの『ESO』プレイヤーをサポートするため、異なるタイプのコンテンツに注力しなければなりません。そこで私たちはチャプターを脇に置き、以下で詳しくご紹介する新しいタイプのコンテンツと、新しいリリース方針に集中しようと考えています。

2025年は新たなコンテンツに向けた移行の年となるため、2025年にもゾーンをベースとした新コンテンツをローンチする予定です。ですが、今までのコンテンツとの違いなど、詳細なお知らせは4月までお待ちください。どうぞお楽しみに!

 

シーズンの導入  

2025年はチャプターで実施していた、年に1回の大型コンテンツアップデートから離れ、コンテンツモデル「シーズン」に向けて舵を切る予定です。いずれ詳しくお話ししますが、2025年にはテーマ別のストーリーコンテンツ、イベント、ストアアイテム、ダンジョンなどをミックスした、3ヶ月から6ヶ月の「シーズン」が登場します。  

2025年は、開発チームをより小さいサイズのコンテンツ制作に移行させるため、古いものと新しいものが混在することになります。1年以上かけて取り組んできた大きな項目もまだいくつか残っており、そちらもリリースするためです。 

開発チームが厳密な年間サイクルへ忠実に従う必要がなくなれば、6月のある日に向けて作業をするのではなく、1年のうちいつでも、完成した時点でコンテンツを発表できます。つまり、1年を通じてバラエティ豊かなコンテンツに集中できるようになるのです。これが新しい「シーズン」モデルを支え、コンテンツ、アップデート、修正、システムなどを、より効率的な方法でリリースできるようになります。

 

変更と実験に対する新たな集中  

私たちはコミュニティの皆さんの「もっと実験的なことをする必要がある。もっと状況を一新させ、簡単に予測できないものにする必要がある」という声を聞いてきました。ゲームはさまざまな新しいタイプのコンテンツを必要としていますし、長年いただいてきたフィードバックにもお応えしなければなりません。私たちはすでに、2025年テストするアイデアのいくつかに着手しています。パッチノートには明確に「実験」と記載され、完全なゲームシステムに盛り込まれるかどうかはわからないシステムやアイデアです。新たにコンテンツを年ではなく、シーズンで区切ることに集中するため、こういった実験や変更を行う時間が確保できるようになるのです。

以下に現在取り組んでいるアイデアの一部をご紹介します。いくつかは2025年以降、テストとしてライブサーバーで見られるかもしれません。この中のいくつかはテストで、いくつかはプレイヤーのフィードバックを基にした改善です。 

  • シロディールのパフォーマンスは真剣に修正する必要があります。私たちの(野心的な)目標は、2014年にサポートしていた同時実行レベルに戻すことです。各キャンペーンにより多くのプレイヤーの参加が可能になるかどうか、全クラスが標準的なプレイヤースキルではなく、PvPに特化した(しかもよりパフォーマンスの高い)スキルを持つシロディールのキャンペーンで試します。
  • 標準的な陸上戦闘の難易度アップ
  • アニメーション、FX、場合によってはオーディオ作業で全体的な戦闘の感覚を改善
  •  関連する装備を探せる、ハイエンドとソフトのグループコンテンツのために作られた、(ただし、エリアや範囲はそこまで広げない)クラグローンのようなゾーンを増やす実験 
  • ギルドの募集、交流、管理をより簡単かつ論理的にするツールの追加と改良 
  • アイデアはまだまだたくさんありますし、もちろん皆さんのご意見にも耳を傾けるつもりです。そうすれば、そのご意見を基にさらに新しいアイデアが生まれてくるはずです。 

 

新規および復帰ユーザーの体験に集中 

『ESO』の新規および復帰ユーザーに対しては、もっと早い時点で対応すべきでした。現在はゲームの規模がかなり大きくなっているため、新規ユーザーの体験を改善する必要があります。私たちは新規プレイヤーがワールドに入ると同時に、数十のコンテンツの選択肢を見せられて戸惑ってしまうことを防ぎ、あらゆる可能性を解放する前に必要とされる、基本的な ガイドを提供して、ゲームを楽しめるようにしたいと考えています。

さらに、毎年100万人を超えるプレイヤーが数ヶ月から数年ぶりに復帰しています。ほとんどの場合、復帰した人は何をすればいいのかわからなくて混乱してしまいます。この問題には、ユーザーが離脱したときの場所、それ以降に追加されたもの、気に入りそうなコンテンツが見つかる場所などを、ゲームのマップやその他のクエスト/情報のUIエリアへ明確に示すことで対処する必要があります。 

以下は新規および復帰したプレイヤーの体験を向上させるために計画した項目のごく一部です。このうちのいくつかは2025年に開始され、いくつかはその後に続きます。  

  • ビジュアルとパフォーマンスを改善した新パッチャー(PCのみ) 
  • すべての新規プレイヤーを対象とした、オリジナルの「嘆きの監獄」チュートリアルエリアの復活。すでに開始済みですが、定期的に調整し、体験を改善していく予定です。 
  • 「最初の島」を皮切りに、最新のテクスチャーとアートアセットによるベースゲームゾーンのビジュアル向上。2025年3月に展開を開始する予定です。 
  • 新規プレイヤーに対し、プロローグクエストとチャプタークエストのコンパスピンを非表示にする。これについてのストゥーガの感想はまだ明らかになっていません。
  • 長い間、最新のビジュアルへのアップグレードが待ち望まれていたPC版UIの外観の向上
  • よりシームレスにゲームへ戻って行動を開始できるようにするための、その他のマップとUIシステム(まだデザインとアイデアの段階)。 

 

引き続き素晴らしい物語をお届けします

コンテンツのリリースモデルの変更に伴って、新しいクエストコンテンツを放棄するわけではありませんのでご安心ください。ただし、これまでとは提供する方法が変わります。巨大な地域の追加が取り組みの中心ではなくなり(とはいえ、時々は行う予定です)、既存のゾーンとエリアを使って新たな物語を展開することになります。以下はその一部です。

  • 既存のゾーンとストーリーラインの物語の継続と、おなじみのキャラクターの復活 
  • 闇の一党、盗賊ギルド、戦士ギルド、魔術師ギルドといった『エルダー・スクロール』シリーズの特徴的な組織に焦点を当てた新しいストーリー
  • 大きなゾーンを複数のアップデートに分割

 

私たちが上記のような変更に着手するのは、新コンテンツとシステムを組み合わせながらフィードバックに対応し、問題を修正し、既存のゾーンとストーリーに新クエストとアクティビティを追加するペースを見出す余地を、開発チームに与えるためです。これまでの年間ペースとは異なり、定期的なものではなくなります。シーズンの開始、新コンテンツ、システム、テストの告知も年間を通じて行われることになります。2017年以来継続してきたように、1月にお知らせするわけではありません。 

お知らせと言えば、次回の大きな告知イベントは2025年4月に開催し、最初のシーズンについてご紹介します。4月には他にもたくさんのことをお伝えする予定ですが、それまではお待ちいただかなくてはなりません。2025年3月には依然としてコンテンツアップデートもあります(通常どおり1月にはPTSに導入されます)ので、そちらについては新年早々に詳しくお知らせします。

当初予定していた2025年の北米コミュニティイベントを行わないというニュースは、すでにお聞き及びのことと思います。難しい決断でしたが、ここで挙げた計画や開発の変更が示すとおり、この1年は当面ゲームそのものに集中しなければなりません。とはいうものの、私たちは多くの地域で行われるローカルコミュニティのイベントで皆さんにお会いするつもりではいますので、そういったイベントに関する発表や詳細にご期待ください。 

最後に、皆さんにお礼を申し上げます。この素晴らしいオンラインの仮想ワールドを作り上げる素敵なコミュニティの一員でいてくださり、本当にありがとうございます。これまでも何度となくお伝えしてきたように、皆さんがいてくださったおかげで、今の私たちがあります。2013年にベータプログラムが開始されて以来、皆さんは何年にもわたって多くの変化を乗り越え、意思決定の助けとなる、極めて価値のあるフィードバックを寄せてくださいました。 

素晴らしい休暇をお過ごしください。タムリエルでお会いしましょう!

Matt 

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