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Developer Deep Dive:タムリエルのボスのデザインについて(Part 3)

タムリエルのダンジョンと試練のボスの作成方法を深く掘り下げたDeep Diveシリーズの最終回となるPart 3では、バランス、品質保証の重要性、そしてリリース後の反復作業について詳しくご説明します。リードエンカウンターデザイナーのMike FinniganとシニアコンテンツデザイナーのShane Slamaに再度ご参加いただき、ESOコミュニティに彼らの知識を共有できることを嬉しく思います。それでは、早速始めましょう!


新しいボスをデザインする際、どのようにして複雑なメカニクスとパワーのバランスを取っているんですか?


Mike Finnigan:私たちはまず、攻撃の種類に応じて数値を決定する作業から始めます、例えば、防御可能な攻撃にどの程度の与ダメージを持たせるかについてはある程度考えがまとまっているため、このような数値は早い段階で入力します。より複雑でユニークなアビリティの場合は、ロケーションテストを繰り返しながらバランスを取っていきます。


面白いことに、戦闘開始直後に強力な攻撃を仕掛けるボスを作成するデザイナーもいれば、くすぐったいくらいの攻撃しかしかけてこないボスを作る正反対のデザイナーもいます。その後、ロケーションテストで浮上した問題を微調整していきます。


また、一度の攻撃でそれほどのダメージを受ける可能性があるのか、あるいはチーム内の他のターゲットもダメージを受けるのかも検討しなければなりません。要するに、もしデザイナーがタンカーを脅かすアビリティを持たせたい場合、頻繁に範囲攻撃を繰り出すことができないように他のパーティーメンバーも攻撃を受けることになります。しかし、ダメージディーラーを脅かしたい場合であればタンカーに影響を与える必要はないでしょう。これらを考慮しながら、メカニクスとパワーのバランスを図ります。作成しているアビリティの影響を受けるターゲットを把握することが大切です。


Shane Slama:そうですね。ボス戦をプレイしていく過程で修正する必要のあるアビリティを見つけ、それに対処することもよくあります。それが手のかかる重要なアビリティだった場合は最優先項目として位置付け、「よし、今だけは他のことを忘れて、この重要なメカニクスだけに集中しよう」と言って戦闘を調整します。そして重要な部分の調整が完了次第、残りの作業を再開します。



テストを繰り返してバランスを調整します


品質保証部門の役割について教えてください。彼らはいつ参加してボス改善にどのように貢献するのですか?


Shane Slama:確かなことは、彼らなしでは何も形にすることができないということです。


Mike Finnigan:その通りですね!


Shane Slama:彼らはチームにとって重要で不可欠な存在です。私たちが正しい方向に進むことができるよう、早い段階で戦闘のビルドをテストしてもらいます。彼らは非常に経験豊富なプレイヤーであるため、的確なフィードバックを得ることができます。


作成途中の段階でも、テストを実施して不具合やその他の問題に目を光らせることは、戦闘の一貫性を保つうえで非常に大切です。システムに抜け道がないかを確認し、バランス調整においても非常に重要な役割を担っています。また、数値が適正か、適切なタイミングでアビリティが発動しているかということだけでなく、疑わしい問題や特定のアビリティにおかしな重複がないかなど、あらゆることを指摘してくれます。


不具合を見つけることが彼らの大きな役割であることは確かですが、デザインチーム以外でボス戦を目にする初めてのプレイヤーとしてプレイヤー視点のフィードバックを聞くことができるため、工程に欠かすことのできない大切な部分です。


Mike Finnigan:彼らが目にするコンテンツはほとんどの場合は未完成ですが、私たちと一緒に作業することに慣れているため、荒削りな部分を見抜き、実際のメカニクスに基づいてフィードバックしてくれるのです。


Shane Slama:そうですね。以前お話ししたように、異なるチームと連携することでさまざまなアイデアを得ることができます。品質保証部門による提案で、ゲームに追加された要素もたくさんあります。工程を掘り下げて最終段階に近づき、内容がまとまりかけた時も、彼らによって方向性を大きく変更する素晴らしいアイデアが提案されることもあります。



ボスはチームワークの賜物です


PTSサイクルでは、どのようにボスの修正及び改善を行いますか?


Mike Finnigan:品質保証部門は素晴らしい仕事をしてくれており、こう言うと変だと思われるかもしれませんが、彼らは優秀すぎるんです。多くの場合、複雑すぎる問題は目につかなかったり、制作側の観点から見ているが故にメカニクスが正常に作動していると思い込んでしまったりすることがあります。ゲームが公にリリースされるまで、どのような反応が得られるかは想像がつきません。その後初めて、私たちが意図したよりも好評を得ることができなかったとか、難易度を高く設定しすぎたということに気が付くのです。


品質保証部門は早い段階で多数の不具合を見つけてくれますが、ボスがPTSに登場した途端、より多くの目に触れるようになったことで今までは見えなかった新しい修正点がたくさん浮き彫りになります。ボスを見る視点が多ければ多いほど、より良いものに仕上がるということです。


Shane Slama:ストリーミング配信の増加も、大きな手助けになっていると思います。15年前の開発者たちがこういった配信無しに、どのようにゲームを開発していたのか想像もつきません。これはPTSでボスを検証する際に非常に大切なツールとなります。制作者の私たちでは想像がつかないため、プレイヤーからの最初の反応はとても重要です。すべてのメカニクスを理解できているか?どうやって把握したのか?プレイヤーは私たちとは異なる視点を持っているかもしれません。


不具合の修正とは別に、導入後もボスの反復作業を引き続き行う予定はありますか?


Mike Finnigan:ボスに限らず、導入後はあまり大規模な変更は行わないようにしています。プレイヤーにボス戦で「少し前とは全然違う。」と感じてほしくないのです。そのため、導入後にボス戦に対して行う99%のことは、メカニクスなどの数値または理解のしやすさを微調整するぐらいに留めています。


戦闘を根本的に変更することはありません。通常、導入後は難易度を上げるということはしませんが、場合によってはそれも調整することがあります。


悪用または乱用できるアビリティなども修正対象になりますが、それでも難易度だけは極端に上がらないように心掛けています。ほとんどの変更はデータを収集し、ボスの討伐率が低く、原因を解明して微調整を施すべきと判断した場合にのみ行います。


Shane Slama:ライブサーバーに不具合が生じ、それを修正すると、ボス戦の難易度が上がってしまうことがあるため、細心の注意を払わなければなりません。もちろん、こういった不具合は修正しますが、それと同時に難易度が変わらないように、何か別の要素を下げる必要があることもあります。


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デザインやビルド、タムリエルのトリッキーなボスについてお話ししていただいたShane SlamaとMike Finniganのお二人に感謝します。これまでのシリーズを見逃してしまった場合は、こちらのPart 1Part 2をご確認ください。最後に、このDeep Diveシリーズを楽しんでいただけた場合や、今後取り上げてほしい開発事項があればTwitterでお知らせください!



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