このプレビューでは、新章『ゴールドロード』のまったく新しいデイドラ公とゾーンのデザインをご紹介します。
『エルダー・スクロールズ・オンライン: ゴールドロード』は6月4日にリリース予定となります。豊穣かつ混沌としたウェストウィールドを探検し、初登場となるデイドラ公、イセリアの復活について調査しましょう。
新たなデイドラ公を世に送り出し、かつファンに愛されている帝国の地方(『The Elder Scrolls IV: Oblivion』で最後に登場)へと戻るのは『ESO』開発チームにとって楽な仕事ではありませんでした。そこで、アートディレクターのCJ Grebbに、彼のチームがこのまったく新しいキャラクターと、馴染み深くも一味違った世界をいかにデザインしたのかを話してもらいました。
秋の美
新登場となるウェストウィールドの印象的な点は、その暖かな色使いです。このゾーンの雰囲気を作るにあたり、チームの皆は色彩豊かでここにしかないものを作り上げたいと考えました。
「ウェストウィールドのビジュアルについて、ライターたちはすっかりアイデアを固めていたんです」とGrebbは説明します。「過去数年にわたって新しい冒険を手掛け、冬、春、夏といったテーマは扱ってきたけれども、秋をテーマにした風景には取り組んだことがない、と彼らは売り込んできました。名案だったので、ためらわずに飛びついたのです」
ウェストウィールドの秋の気配を体験
印象的なコロヴィアの田園風景に加え、多くの『The Elder Scrolls IV: Oblivion』のファンがこの地域に戻り、スキングラードの街とそこに住むインペリアルたちを再発見することを心待ちにしているかもしれないとチームは認識していました。
「スキングラードは『Oblivion』の街のマップを直接引き出し、改めて作り直しました」とGrebb。「時計の針を800年戻して、この街が以前どのようであったかを想像しては楽しませてもらいましたが、過去の『Elder Scrolls』シリーズの作品で知っている場所に帰ってきたプレイヤーを歓迎したくもあったので、街並みは馴染みのあるものに仕上げるようにしたんです」
コロヴィアのコンセプトアート
「コロヴィア人は心暖かで、勤勉であるものの、いくぶんお高くとまった人々であるというアイデアに、私たちは大いにのめり込みました」とGrebbは話します。「コロヴィアは第二紀の大半を通してかなり栄えており、帝国との結びつきによって産業と農業を育んできました。こうして、陸地の大部分を占めるワインやチーズ生産のモチーフが生まれたのです」
迫り来る荒野&古代の歴史
ウェストウィールドに住むコロヴィア人の富と権力にもかかわらず、ドーンウッドとワイルドバーンという形でこの地域に混沌が訪れ、環境を一変させてしまいました。しかし、それはアートチームにビジュアルストーリーテリングのチャンスをもたらしてもくれました。
「ワイルドバーンによって、ウェストウィールドの生物に大きな美術的変化を与えられました。このゾーンの黄金のテーマはコロヴィアの大部分を一夜にしてのみ込んだ、広大な密林の姿をした覆いの産物なんです」とGrebbは説明します。「『ESO』ではよく解決しなければならない謎に取り組むことになりますが、建物を土台から持ち上げてしまうような巨大な蔓と、ボズマーの一団がちゃっかり新たな土地に移住してくるという、劇的に出現した謎を作るのは楽しいものでした」
危険なワイルドバーンを体験しよう
他の作品でタムリエルのこの一帯を探索したことのある人なら、ふんだんにあったアイレイド遺跡を思い出すかもしれませんが、『ゴールドロード』でも登場します。
「タムリエルの広大なアイレイドの地下ダンジョンは、それが占める空間の広大さの面からして、興味深いものでした」とGrebbは言います。「地下に家を建てることもあるでしょう。しかし、どうしてこれほど巨大で洞窟めいているんでしょうか? 時間軸からすると他の『Elder Scrolls』シリーズの作品群の前にいるので、“より手つかずな”アイレイドのダンジョンというアイデアを楽しむことができました。彼らはそこで何をしていたのか? なぜあれほど広大なスペースを必要としたのか? その答えのヒントになるような、新しいアイレイドの建造物や建築物を私たちは作ることができるのでしょうか?」
アイレイド遺跡に踏み込む
(新たな)デイドラ公をデザイン
新ゾーンと新ストーリーに加え、『ゴールドロード』ではまったく新しいデイドラ公、イセリアが登場します。もちろん、これまで見たことのないデイドラ公を生み出すのは大変な作業ですし、彼女のビジュアルを仲間の神々とかけ離れたものにしなければならないのはチームも自覚していました。
「(イセリアのデザインは)とても厄介でした。彼女がニルンにどう現われるのか、即座に選択しなければなりませんでした」とGrebb。「彼女はメエルーンズ・デイゴンやハルメアス・モラのような怪物じみた姿を選ぶのだろうか、それともより人間的な姿を選ぶだろうか。姿が人間的であるほど彼女とモラとの対立が鮮明になると私たちは判断しました。とはいえ、あまりに平凡すぎる、退屈なものにするわけにもいきません」
イセリアはさまざまな姿をする
「ゾーンのビジュアルと同様に、ライティングチームはすでにイセリアに関して確固たる方向性を打ち出していました。モラの行動によって彼女の領域は粉砕され、その裏切りが感情面でも肉体面でも、外見に現われているというものです」とGrebb。「粉々になった破片、現実の亀裂などのアイデアは全てそこから生まれたものです」
イセリアの「外見」は他のデイドラ公と比べて確かに際立っていますが、彼女をデザインし構築する上で、そのことがかえってアートチームに面白い課題を生み出しました。
「私たちのゲームエンジンは反射に関して技術的な制限があるため、アーティストたちは、鏡やクリスタルの欠片にまつわることが多いストーリーテリング要素を描き出す際に、大いに創造性を発揮してくれました。いつものように、彼らはこれまでの『Elder Scrolls』作品でお目にかかったことのないような、新たなデイドラ公としてふさわしいものを作り上げたんです」
イセリアのコンセプトアート
新たなデイドラ公が誕生すれば、当然、そのイメージを模したデイドラも生まれます。イセリアの信者や配下は、それぞれが彼女の独特なデザイン要素を反映しており、真に独創的なモンスターが誕生する新たな機会となりました。
「(私にとって)印象的だったのは砕かれた名残ですね。ミラームーアのモンスターの出来栄えはどれも素晴らしいものでしたが、特にこのモンスターはイセリアの物語の悲劇を生々しく表限したものでした。コンテンツチームはこのモンスターを三脚型にするよう求めましたが、その要素のために技術アートチームが妙技を披露することになり、かつて私たちが作ってきたものとはまったく異なる動作やポーズを生み出すことができたのです」
砕かれた名残と対峙する英雄たち
「そのような動きのバリエーションを活かすため、このモンスターを恐ろしく、おぞましいものにしたかったのです」とGrebbは語ります。「鏡の破片を使ったモンスターの中には、とても美しく仕上がったものもあります。ですが名残はあえて壊れ、歪んだ姿をしています。イセリアという存在が粉々にされたことを如実に表したものなのです。手足の非対称と誇張されたプロポーションも故意にそうしたもので、このモンスターにフランケンシュタインの怪物的な要素を与えています」
鏡のデザイン
近日公開予定の新章『ゴールドロード』では、ウェストウィールドの豊かな地域を探索し、謎に包まれた忘れられたデイドラ公と彼女の傷ついた信奉者たちに出会うことでしょう。『TES IV: Oblivion』以来となるスキングラードの街を再訪できることに、胸が踊りませんか? それとも、砕け散り、鏡のようなイセリアの手下たちに挑むのが待ち遠しいですか? 色彩と謎に満ちた、ここだけの世界があなたを待っています!
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