ESOの戦闘に対する展望と基本的価値観の概要をまとめた、開発チームによる詳細な解説をご紹介します。
戦闘の基本的価値観
今回は、ESOの戦闘システムに対する私たちの目標と基本的価値観についてお話ししたいと思います。まず、数か月前にお伝えした戦闘に関する質問についてです。皆さまから寄せられた質問に何度も目を通すうち、私たちの戦闘に関する展望と基本的価値をもっと皆様にお伝えすることができるのではないか、という判断に至りました。何故なら、ここ数か月に寄せられた戦闘に関する質問への回答のほとんどが、この基本的価値に基づくものであるからです。もっと早期にご説明すべきであったと承知していますが、ESOの戦闘に関する長期的な展望を明らかにするため、一歩下がってこれらの概要をご説明します。
では、ESOにおける戦闘について、私たちはどのような展望を持っているのでしょうか?簡潔に言えば、すべてのプレイヤーにとって戦闘が楽しく、やりがいを感じられるようにしたいと考えています。ESOは独自の興味や動機を持った多種多様なプレイヤーを抱えているため、「楽しさとやりがい」を感じるものは人によって異なるということを認識しています。私たちの目標はそのバランスを取ることですが、このコミュニティが時間とともに進化してきたように、私たちが掲げる戦闘の基本的価値観と一致しない場合は、それを対処する必要があります。また、これらの基本的価値観は厳格な規約でも現状を定義しているわけではなく、私たちが戦闘を設計する上で目指す価値観であり、戦闘を調整する際に達成できるよう努力するものであることも言及しておきたいと思います。
以上のことを踏まえ、ESOの戦闘における基本的価値観と今後の展望をご説明するとともに、これらの価値観が戦場でどのように機能するのか、その例をご紹介します。
自由にプレイする
私たちは、プレイヤーキャラクターに抱く幻想を、ゲームの世界で体現できるような自由と柔軟性を提供するよう努めています。アビリティ、武器、防具の選択肢とプレイスタイルの多様性を重視し、組み合わせによっては絶大な効果を発揮する手段となりますが、どのキャラクターもグループの仲間を守ったり、味方を治癒したり、敵を一掃する能力を持っているべきであると考えています。
- 軽装鎧、中装鎧、重装鎧の自由な組み合わせ
- 任意のスキルラインを登録したスロットのアビリティ
- アビリティ、アイテム、チャンピオンポイントなどの選択による「デッキ構築」
アクティブな戦闘
戦闘は、移動しながら継続的にアクションを実行することで、より没入感が増加すると考えています。バトルは活気があり、脅威や機会が素早く展開し、それに対応できるパワーを有すると感じられる必要があります。どんな瞬間でも対戦相手に対応可能な選択肢が用意され、行動に移すまでの待機時間が長くてはいけません。そのためには、プレイヤーキャラクターとの一体感や、戦闘の結果を左右できるような、レスポンスの良い一貫した操作性が求められます。
- 防御、ロール回避、強撃、中断は、グローバルクールダウンによる制約なし
- アビリティにクールダウンはなく、グローバルクールダウンは短い
- 殆どのアビリティは即座に発動可能(詠唱時間を除く)
- 武器の切り替えが可能
戦闘の習得
プレイ時間が10分または1,000時間であろうと、何か学ぶべきことや改善すべき点を必ず見つけられるはずです。その学習のループは、常に楽しくてやりがいのあるものでなければならないと考えています。私たちが目指す戦闘は、キャラクターのビルドとスキルの活用といった2つの主要な道筋に沿って挑戦するように設計されています。戦闘以外の面でも、プレイヤーキャラクターのビルドによって、戦闘で戦うための自力を形作るために、膨大な数の選択肢の中から正解を選定するスキルが試されます。また、ペースの速いアクティブな戦闘で対戦相手を凌ぐためには、自分のビルドが持つ可能性を認識し、戦闘で適切なスキルを使用することが求められます。
- アビリティ、アイテム、チャンピオンポイントを組み合わせて構成されたビルド
- リアルタイムのリソース管理(体力、マジカ、スタミナ、アルティマ)
- アビリティのローテーション及びタイミングの最適化
- 軽攻撃によるウィービング(連続攻撃)
- グループの「ビルド」とシナジー
The Elder Scrollsの伝統
The Elder Scrollsは、何十年にもわたって多数のプレイヤーの皆さまの心を魅了し続け、私たちもシリーズの伝統を尊重するように努めています。マルチプレイヤーのオンラインの世界では、独自の機会がもたらされるとともに、いくつかの課題や制約も生じます。しかし、本シリーズのファンの皆さまには、キャラクターや戦闘体験に馴染みを覚えていただけるかと思います。それは、これまでの作品に登場した伝承やメカニクスが、ESOの戦闘のインスピレーションとなり、可能な限りそれらが基礎となっているからです。
- 体力、マジカ、スタミナを能力として設定する
- クラスの選択によって役割が定義または制限されない
- スキルラインは使用することによってレベルアップする
- 殆どのスキルラインは過去のTESシリーズで登場した定番(例:ウェアウルフ、重装鎧、魔術師ギルドなど)
ESOの開発に伴い、私たちはコミュニティからのフィードバックやハードデータの測定基準とともに、これらの値を指針として用いました。戦闘に関するいくつかの顕著なバグを除けば、これらすべてを考慮に入れたことで戦闘がより改善され、さまざまなプレイスタイルでESOを楽しめるようになったと信じています。チャンピオンポイントのシステムの更新やハイブリッドなど、過去数年間で行ってきた作業の多くにより、ビルドの選択肢やゲームプレイの多様性、そしてビルドの平等性が大幅に改善され、ESOが目指すゲームプレイを支えてきました。これまでの道のりは必ずしも容易ではありませんでしたが、長年にわたってタムリエルで時間を過ごし、フィードバックをお寄せいただいた皆さまに心から感謝しています。
戦闘に関するアップデート第37弾の概要については、まもなくご紹介する予定です。改めまして、いつもESOに情熱を注ぎ、ゲームを楽しんでいただいている皆さま、本当にありがとうございます。それでは、タムリエルでお会いしましょう!
今回の内容については、公式フォーラムの「COMBAT & CHARACTER MECHANICS」にて他のプレイヤーと意見を交わすことができます。
※リンク先は英語表記となります。