セレーンの巣に危険を冒して足を踏み入れる者たちは、悲惨な結果となります。
最新のキャラクター特集では、この強力で変幻自在な森の霊魂についてご紹介します。
ヴァヌス・ガレリオンの年代記より
私はめったには驚かない。
知性が発達していない者が予期せぬ出来事に遭遇すると、あり得ない事だと思う他ない。
そして、アークメイジとしての在任中に、この名誉ある立場に自惚れないよう自分に釘を刺す瞬間が幾度となくあった。
セレーンとの遭遇は、この瞬間の中でも特に上位にあたる。
我が騎士団がサマーセット諸島から出発し、タムリエル大陸へ移動し始めたのは、魔術師ギルドがまだ創設されて間もない頃だった。
私は、首都にギルドホールを設立し、ウッドエルフの領域に入ることができるように、シルヴェナールに申し立てた。
ヴァレンウッドが彼らの問題に干渉するいかなる外部の力に対しても抵抗力があると言うのは控えめな表現だが、ギルドの価値を証明する絶好の機会が与えられたのだ。
我々の最初の契約は、シルヴェナールの東にある未知の湿地を探索することだった。
この湿地は唯一緑のある場所で、ウッドエルフはこの場所に関してほとんど知らなかった。
なぜなら、この場所に入り戻ってくる人がいなかったからだ。
シルヴェナールが私のことを追い払おうとしていたことは明らかだったが、この試練に立ち向かうのが、私が魔術師ギルドを創設した理由だ。
この領域は、非常に密集して生い茂った蔦と、入った者が逃れることができない罠にはまってしまうと信じられていることから、「巣」という名前が付けられた。
この形容が、想像よりも遥かに適切だったことは、この領域に入った私の探検隊が泥ではなく沼地から抜け出せなくなったことで証明された。
薄暗い森の中でどれ程の時間をかけ我々が歩みを進めたのか。
今となっては思い出せないが、決して孤独ではなかったことだけは言える。
目にしたすべての生物は、我々をじっと観察していた。我々の重くぎこちない足取りの他に、音を立てるものは何もなかった。
それはまるで、我々の侵入に耳を傾けるためにすべてが静止しているかのようだった。
この繁茂した蔦の中を進むため最大限の努力をしたが、暗闇の中、一人手探りで進んでいると気づくまで、我々は事あるごとに迷った。
その時、何者かが私の脚を罠にかけ、引っ張り、世界が反転した。
血が次々と耳に流れ込むのを感じた。
すぐに、私は襲ったものの正体を明らかにするため光の呪文を唱えた。
すると、私の顔の4倍はあろうかというギラギラと光る蜘蛛の牙により出迎えられたことに気づいた。
情けないことは認めるが、後世の人々のためにも、私が悲鳴を上げてしまったことは伏せよう。
この事態に対処すべく呪文を唱えようとしたその時、この生物は私の腕を拘束し、首を引き寄せ、喉元に噛みつくのではなく耳元で囁いた。
セレーンという名は後に知ったことだが、彼女は我々が自分の領域に侵入した理由を問い正した。
我々が侵入したことにより、彼女の機嫌が悪くなっていたのは明白であった。
しかし、彼女が私を脅迫している時に、私は彼女に内在する好奇心を感じ取った。
彼女がこの好奇心を抱いた理由は、私にとって彼女の正体が不明であるのと同じく、彼女にとっても私の正体が不明だったからなのは明らかだった。
私の探検は、彼女がいる隔離された森では見たことがないものばかりだった。
とうとう彼女は私を束縛から解放し、私の姿形になった。
いや、厳密にいえば、私の顔立ちを持つアルトマーの女性に姿を変えたのだ。
彼女が姿を変えたのは緊張を和らげるためだったのだろう。
しかし、彼女は自分の立ち振る舞いが、如何に不自然であったかには気付いてはいなかった。
それでも、我々は長い間話をした。
セレーンが世界について話した口ぶりから察するに、彼女には時間という概念が存在していないことが明らかだった。
ウッドエルフは、巨大な混沌の塊であったムンダスが最初に創世されたこと、そしてイフレが世界に秩序をもたらした先駆者であり、自然界の法則を築いた者であるという信念を抱いていた。
他の者はその信念に従い、ニルンが惑星として形を持った。
私は、セレーンはエルノフェイが地球の基盤を形成した時代から、そう遠くない時代に生まれたのではないかと考えた。
実際に私は断言できる。
彼女の変幻自在である形状は、セレーンがニルンに誕生した始祖の生物であることに由来すると考えているからだ。
私の仮説は、最初の混沌によって自身の流動性を制御する方法を学習し、残存者となったのではないかと考えている。
彼女の女神シャグラスについて話す口調から、女神の存在が彼女の姿形における理想に影響を及ぼしていると私は考えている。この本質が時と共に失われたのか、または何らかの形で残っているのかは謎のままだ。
とはいえ、気がかりなのは、クモに親近感を持ったまま、この世に生まれたのは恐らく彼女一人だけだろう。
私はセレーンを説得し、私や繭にされた私の部下を解放するように要求した。
許可を得ずに立ち入らないことを約束し、彼女の領域を侵害するウッドエルフではなく、彼女を当てにした。
セレーンのような生物から学ぶことは多くあり、彼女の生息地や価値観を守ることは双方にとって最優先事項となるだろうと考えた。
首都に戻った時、私はこれらの発見をシルヴェナールとグリーンレディの目前に提示した。
2人とも自分たちの森に存在するセレーンに動揺していた。
姿を変幻自在に変えることができる生物は、イフレが意図した森にいる形あるものすべてを否定することになる。
しかし、彼女の領域の境界を尊重するようにシルヴェナールとグリーンレディに説得するには、彼女が神と共に世界を見て回っていたという可能性があっただけで十分だった。
シルヴェナールは、私のギルドがこの状況に対して行った対処に感銘を受け、ヴァレンウッドで最初に魔術師ギルドを設立する許可を私に与えた。
魔術師ギルド、森に住むエルフ、そしてセレーンの間の協定が、アークメイジとしての最大の成功だと思っている。
以前のタムリエルの冒険でセレーンに遭遇したことがあるかもしれませんが、この強力な森の霊魂に出会った者は皆、そこには常に多くの物語があることにすぐに気が付きます。
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