サマーセットには危険でかつ一風変わった獣達が沢山いますが、その中でもグリフォンほど雄大で強力なものはいません。
今回の記事では、驚くべきグリフォンと、またサマーセットに登場させるための製作段階においてチームが直面した挑戦についてご紹介します。
獰猛でとても珍しいESOのグリフォンはサマーセット島にのみ生息し、地元のハイエルフからは丁重に扱われています。
「アルドメリ・ドミニオンの象徴は鷲で、鷲とライオンの両方の要素を持ち合わせているグリフォンは、象徴的な意味において、ハイエルフ達にとって大変重要な生き物です。
ハイエルフはグリフォンという獣の中に、自分達が大切にしている誇り、美しさ、強さ、英知を見出しているのです」と、ESOのストーリー担当であるLawrence Schickは説明します。
数は少ないものの、グリフォンはサマーセットの大自然の中に巣作りをしているため、旅の道中で出会うことがあるならば、戦うことより逃げることをお勧めします。
もちろん島中のすべてのグリフォンが攻撃的なわけではありません。
グリフォンはその生誕より不思議な絆を築いているウェルキナーに騎乗されるように、ハイエルフマスターの傍で戦うよう訓練されているグリフォンもいます。
クラウドレストのグリフォンライダーの騎士たちに加え、獰猛ではあるけれども、比較的温厚なサンナウェルと名付けられた、南海岸の都市であるサンホールドを護衛しているグリフォンもいます。
ユニークなデザイン
サマーセットのグリフォンをデザインしている時、コンセプトアーティストのLucas Slominskiは、ファンタジーにおける典型的な手法で生き物たちが作られていることに納得していませんでした。
「私が見てきた多くの伝統的なグリフォンの描写は、鷲とライオンの異なる体の部位が詰め込まれた、ただ直接組み合わせた不自然な混成物のようだったのです。
その結果、この奇妙な毛皮と羽、哺乳類と鳥の組み合わせは、混成物としても現実味に欠けるものとなったのです」とSlominskiは話します。
ESOのグリフォンにとって、ゲームにおいて、なぜそういった見た目をしているのかということに理由が必要であるとSlominskiは考えました。
「グリフォン達が文字通り、2種類の生き物の混成物であるというアプローチをやめ、飛行のために進化し、大きな猫や猛禽類にも見出すことができる特徴を持った、翼を持った4本足の捕食者を1から描き始めたのです。」
参考資料として、Lucasは雌ライオン、チーター、イヌワシ、グリフォンの頭の羽の元になったカンムリクロクマタカの生体構造について調査し、この獣の脚に羽付けをする際には、羽毛恐竜のレンダリングが役に立つことを発見しました。
「肩に広がる翼と鳥類の首を適合させるため、猫科の筋肉構造を適応させることから始め、その後、地上でも高速かつ素早く動くことができる鷲の鉤爪は維持した状態のまま、グリフォンの足にリアリティーのある足先を配置することを考案しました。
また、グリフォンは半分の量の羽毛ではなく、十分な羽毛で全身が覆われていることが重要であると考えました。
これまでのグリフォンは、半分の量の羽毛で覆われていたのです。」
サマーセットのグリフォンの特徴は、飛行したり、餌食に近づく際に急カーブすることができるように設計された羽のついた尾部と足、そして荘麗な頭部と耳です。
「私の好きなグリフォンの体のパーツはとんがった猫耳です。
その耳は猫科の影響を受けたグリフォンの頭の形に合っており、さらに重要なことに、いくら足しても十分ではないほど、肉食獣の美しさという、愛らしい魅力が備わっているのです。」
獣に命を吹き込む
プレイヤーの皆さまがサマーセットでグリフォンに遭遇したら、グリフォンは特に機敏で危険な敵であるということを認識することになるでしょう。
地上にいる時も空中で舞っている時も攻撃することができるため、常に視線を空へ向け、ぐるぐると上空を見回さなければならなくなるでしょう。
グリフォンは空と陸からの二重の脅威となるため、グリフォンの製作は、ESOのモンスターチームにとって挑戦となったのです。
「グリフォンの開発は、ファイヤーポットスパイダーとクロックワーク・シティのカラスの死霊の製作で得られた教訓を1つにまとめたものでした。
そのデザインの観点から言えば、今回の挑戦は、飛行時から停止までの過程を自然に見せることにあり、この獣が威圧的に見えるように配慮しなければいけなかったということです。
これにより、プレイヤーの皆さまの進行に応じ戦闘が変わり、グリフォンがより活き活きとなるのです」と、ESOの戦闘デザイナーリーダーであるSean Wicksは話します。
ESOに登場するグリフォンは地上と空中の両方で戦うことができるため、止まっている状態と動いている状態のどちらの見栄えも良くし、リアルにするために、通常の2倍以上のアニメーションが必要でした。
これを達成するために、チームは多くの時間を費やしてアプローチ方法について議論し、アニメーションチームと協力しました。
「6本脚がある生き物であるグリフォンは、今まで私たちが取り組んで生き物よりも多くの骨があるため、技術アーティストたちは、生き物に簡単にアニメーションを与えることができると同時に、ゲーム内で正常に動作することを証明しなければならなかったのです。」
(途方もない)チームの努力
プレイヤーの皆さまがサマーセットで見つけることができる翼のある獣を製作するために、様々な多数のチームの莫大な量の協力が必要であったことは言うまでもありません。
チームがグリフォンを製作すると決断し、ストーリー担当者の許可を得たらすぐに、タムリエルにモンスターを実装するという、長期にわたる工程が始まりました。
チームはLucasのデザインとコンセプトアートから製作を始め、基本的な3D彫刻とアニメーションの確認作業に移りました。
この作業の進行中、チームのデザイナーはグリフォンが実際にどのように動き、戦ってほしいかを考えていました。
戦闘中のアビリティとアクションや、プレイヤーの皆さまが交戦する前のアクション両方の動きを考えました。
「デザインチームは、ほとんどの場合、最終形態の見本となる試作品を製作するために、既存のモンスターを使用し、すべてのアビリティと行動の脚本を書くのです。
彼らはその生き物がどのように考えるか考慮し、プレイヤーの皆さまが戦闘外で見た時の、その生き物のアニメーションを依頼するのです」と、Wicksは説明します。
代用のグリフォンの完成に伴い、チームの技術アーティストは、グリフォンを装飾し皮で覆うために、アニメーターとの作業を開始し、アニメーターがグリフォンのデザインを基にこの新しい獣に効果的に生気を吹き込むために必要な操作を組み立てました。
一度基本的なアニメーションが完成したら、視覚効果のアーティストが、グリフォンがとる行動すべてが戦闘中及び戦闘以外でも、適切な効果が伴うかどうかを確認しました。
「これには元素魔法、血のしみ、ほこりの回転、足跡、リボンの小道などが含まれます。
私たち全員が、プレイヤーの皆さまに起こることとその見た目が確実に一致するように、効果範囲には最新の注意を払ったのです」と、Wicksは説明します。
プレイヤーの皆さまが、何かが起こる時を理解し、十分なインパクトや騒音を楽しむことができるよう、オーディオチームは獣にとって必要不可欠なサウンドを製作しました。
サウンドの製作が完了したら、チームはテストと反復の段階に移り、プレイヤーの皆さまがサマーセットで遭遇できる様々な種類のグリフォンを製作しました。
このグリフォンには、試練やワールドボスに登場するものや、ただ単にワールドを彷徨っているものも含まれます。
最終的に、チームはPTS上でモンスターをテストし、最終的な修正とバランス調整を行うために、プレイヤーの皆さまがどのように遭遇するかを監視しました。
「最終的に、私たちが今見ているものを届けるためには、たくさんの人々の仕事が必要でした。
そしてもちろん、今後インパクトが強くユニークなモンスターを製作する時には、私たちが今回やり遂げたことを改良していきたいです」とWicksは話します。
空にはご注意を!
サマーセットのグリフォンがエルダー・スクロールズ・オンラインの最もユニークで印象的なモンスターの一部であることに疑う余地はありません。
翼のある獣に対してチームがきちんと理解するために、かなりの時間と努力が必要でしたが、その結果として、ハイエルフの力と尊厳の両方を有する生物となり、その一方で、ゲーム内でやりがいのある楽しい部分ともなったのです。
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