エルダー・スクロールズ・オンライン：ネクロムの一部として登場した新クラス「アルカニスト」について、ESO開発チームがこの新たなプレイ方法を、どのように作り上げたのか学びましょう。

アルカニストは、2019年のチャプター「エルスウェア」以来のESOの新しいクラスで、3つのスキルライン（治癒のルーンフォーム・書の使者・アポクリファの兵士）に加え、新たな戦闘メカニクスのクラッツが導入されています。ゲームに新しいクラスを追加することは大がかりな作業であるため、アルカニストの主な特徴やデザイン、開発経路について、開発チームのメンバーから詳しい話を訊くことにしました。

新しいクラスの召喚

アビリティや背景、ビジュアルを含め、新しいクラスをESOに導入することを決定した時、チームは何よりもまず、アルカニストに独自性を持たせることにしました。

「私たちは、これまでに作ったどのクラスとも、外見もプレイ方法も異なった新しくて独創的なクラスにしようと考えました。アルカニストでは単に色を塗りつけたり、ゲームの他のクラスの「ベストヒット」を集めたオムニバスではなく、違ったアプローチを取ることにしました。」ESOリードコンバットデザイナーのBrian Wheelerは説明します。

さらに、新クラスのアルカニストは経験の差に左右されることなく、新規及び既存プレイヤーの両方にアピールできるようにすることがチームの目標でした。

「アルカニストの制作にあたり、私たちが目指したことの一つは、古参のプレイヤーに馴染み深い側面を残しつつ、新しい領域や概念を探求することでした。書の使者のスキルラインの最初の2つのアビリティがその良い例でしょう。ルーンブレイドは炎のスカルや力の発動と同等、長距離で攻撃を飛散させることが可能です。その一方、運命の彫刻家を使用すれば、チャネリングされたビームで自由に狙いを定め、目の前のあらゆる敵を混乱に陥れることができます。」と、アルカニストのコンバットデザイナーの一人であるStephen Cerretaniは説明します。

また、アルカニストが複数の役割（ダメージ、タンク、ヒーリング）をサポートしながら、単一の一貫したアイデンティティを提示することも重要でした。

「独自のスキルを使用することであらゆる役割をこなせるため、一貫したクラス体験を提供することができます。ダメージを受けるにせよ、与えるにせよ、FX、オーディオ、アニメーションのすべてが上手くまとめられています。これにより、他のスキルラインのアビリティに頼りすぎてビジュアルや全体的な雰囲気を壊すことなく、アルカニストをプレイする際の幻想さを損なわないようにしています。」と、Wheelerは説明します。

アポクリファにインスピレーションを得た力

この特別なアイデンティティを生み出すために、チームはアルカニストをアポクリファの領域と繋げる決断を下しました（それとも知識のデイドラ公がそう仕向けたのでしょうか？）。このユニークなテーマの背景は、このクラスの戦闘能力だけでなく、そのエフェクトやサウンドを含む美学全体の基礎となりました。

「アルカニストのスタイルは、他のクラスとは一線を画しています。ドラゴンナイトが火と毒を使用するのに対し、アルカニストは知識、ルーン、触手などを扱います。その結果、今までにはなかったサウンドの開発に成功し、その前例のないサウンドがどのように聞こえるかを考えるのは貴重な経験になりました。」と、アルカニストのシニアサウンドデザイナーのDylan Hairstonは説明します。

アルカニストは不思議なルーンの力を使用します

「私たちは、プレイヤーにアルカニストが古代の知識に描かれている絵のように感じてもらいたかったので、文字やインク、そしてより大きく描かれたルーンに重点を置くことで、そのアイデアを伝えられたと思います。詠唱時のアニメーションの多くに黒い本を採用したのも、このアイデアを利用したものです。それを詠唱の焦点として使う方法を考えるのはとてもやりがいがありました。」と、アルカニストのシニアFXアーティストのBrian Hahnは話します。

もちろん、インスピレーションを得るために、チームはハルメアス・モラとアポクリファの不吉で神秘的な伝承に没頭しました。※アルカニスト制作中にハッシュドに変身した開発者はいません。

「ハルメアス・モラにはラヴクラフト的な強い魅力があり、私はその要素を大きく取り入れて、頭の中に存在しているような感覚を呼び起こすサウンドの制作を心がけました。あたかも音自体に無限の知識と力が秘められているかのように、ささやき声や意味不明なつぶやきを取り入れました。」と、Hairstonは言います。

ユニークなアビリティを持ったアポクリファをニルンにもたします

「禁断の知識というアイデアに関して、少し遊びも取り入れました。深淵の衝撃や奇妙な恐怖のルーン のようなアビリティは、アポクリファの暗い深淵からもたらされているかのように感じることができるでしょう。対照的に、救済のカスケードやルーンブレイドといったアビリティでは、 オブリビオンのこの地域でもっと広く利用できるパワーを使っているように感じるでしょう。」と、Hahnは説明します。

クラッツ（核心）に迫りましょう

3つのプレイスタイルをそれぞれサポートする3つのユニークなスキル・ライン（アクティブ、パッシブ、アルティマ）に加え、アルカニストには新システムのクラッツも導入されています。アルカニストをプレイすると、特定のアビリティによってクラッツが生成され、クラッツを消費するアビリティを発動することで新たなリソースとして使用できるようになります。これらのアビリティは、より安いリソースコストや追加ダメージなどのさらなるメリットを享受できます。

「ネクロマンサーの死体のメカニクスと同様、アルカニストはクラッツというシステムを介してアビリティを強化できます。さらにこの新しいクラスでは、機動力を維持しながら、自由にクラッツを生成して使用することが可能です。これにより、アルカニストは自分の運命をその場で選択する機会が得られ、単に装備セットやアビリティバーを組み合わせるだけでなく、修得する楽しみが増します。」と、Wheelerは説明します。

クラッツでアビリティを強化しましょう

「クラッツのシステムは、このクラスに直接的な波と流れを与えます。その機会が来たと感じた時はいつでもアビリティを詠唱可能ですが、3つのクラッツがすべて揃い、アビリティのボタンが光っている場合は最大限の効果を発揮できため、最高の気分を得ることができるはずです。」と、Cerretaniは言います。

クラッツのシステムのおかげで、アルカニストはこれまでのクラスとは一線を画すカスタマイズ性を備えています。

「アルカニストのクラッツのシステムでは、希望に応じて単純にも複雑にもすることができます。すべてのアビリティで生成または消費が行われるわけではなく、一部のアビリティは生成のみを行い、消費しないことで恩恵を受けることができます。生成も消費もせずにプレイするプレイヤーもいれば、クラッツを生成及び消費しながら、適切な機会に備えて3つのクラッツで待機することも両立するため、あらゆる組み合わせのプレイを試すプレイヤーもいるでしょう。」と、Wheelerは話します。

アルカニストをどのように構築し、どのようにプレイするかは皆さま次第であり、チームは各々の経験に関係なく、この新しいクラスをプレイする際に楽しみながら効果的にプレイできるよう尽力しました。

「アルカニストでは、追加の前提条件を満たしているかどうかを気にすることなく、楽しみながらクールなアビリティを発動できるようにしたいと考えました。その一方で、ベテランや数字に強いプレイヤーの皆さまには、アビリティが互いにどのようにインタラクトするのか、深く掘り下げる機会を提供できたと感じています。」と、Cerretaniは説明します。

アポクリファの力を使いこなしましょう

新クラスのアルカニストは、ハルメアス・モラの領域の不気味なパワーを操って敵と対峙し、あらゆる攻撃に果敢に立ち向かって味方を回復させることができます。この新しいクラスのプレイ方法は皆さま次第であり、アポクリファの秘密を掘り下げようとするプレイヤーの皆さまには、無限に近い数のビルドとプレイスタイルが待ち受けています。この壮大な新パワーをどのように活用しますか？

モロウウィンドを覆う影の冒険の一部であるエルダー・スクロールズ・オンライン：ネクロムは、現在配信中です。