ESOコンバットチームのAlec Verishが、8月にリリース予定のアップデート第35弾で戦闘にどのような変化がもたらされるのかについてご説明します。
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皆さま、こんにちは!
今回は、次期アップデートの時期が近づいてきたことに伴い、今後予定されている大規模な変更点の背景にあるいくつかの根拠についてお話ししたいと思います。一見些細な変更でもゲームの戦闘の大部分に影響を与えることができるため、多数のバランス調整が一度に行われる次期アップデートでは、今後のアップデートで大規模な変更を行う必要性を減少できることが期待されています。アップデート第35弾の主な焦点は2つあり、継続ダメージ・バフ・デバフといった外向性のアビリティ効果の継続時間の増加によるゲームの戦闘に対するアクセシビリティの改善と、ハイエンドでの不適切なダメージ生成の一部を抑制する試みを継続することです。まずは、現在のESOの根本にある実状を紐解いていきましょう。
ウィービング(連続攻撃)
現在、ESOの戦闘で真価を発揮するには、「ウィービング」と呼ばれるグローバルクールダウンウィンドウに複数のアクションを押し込む操作を習得する必要があります。ウィービングにより、攻撃力や行動力が飛躍的に向上し、コツさえ覚えれば戦闘が一味違ったものになり、参加するのが楽しくなるというこのゲームの真髄となっています。しかし、このウィービングがもたらす影響により、ウィービングを上手く扱えるプレイヤーとそうでないプレイヤー間のパフォーマンスに大きなギャップが生まれ、後者のプレイヤーは大幅な遅れを取っていました。これに関しては一部避けられない事実も含まれており、そのギャップこそがESOや同様のシステムを利用するアクティビティにおいて、習得時の満足感を得るための重要な要素となっています。しかし、ローエンドとハイエンド間の差が狭ければ狭いほど、より多くのプレイヤーに受け入れられるコンテンツを作りやすく、さらに上達を志すプレイヤーにより自然な形で進捗のポイントを提示することができるため、私たちはその差を縮めるために尽力したいと考えています。以上を踏まえ、ESOにおいて最も一般的で重要なウィービングの一つである、軽攻撃と重攻撃による連続攻撃が及ぼす影響について考察を開始することにしました。
アップデート第35弾では、軽攻撃と重攻撃がダメージ生成に及ぼす影響を軽減させるため、ステータスに関係無く一律でダメージを与えるように調整します。私たちは、新規プレイヤーがこれらの攻撃を使用する際の基本値を調査するために相当な時間を費やし、それを基に今後のダメージ量の出発点とすることにしました。この目的は、ローエンドの体験を損なうことなく、ハイエンドのみをターゲットにすることです。そうすることにより、実力差を感じることはあるものの、以前よりかは遥かに小規模な程度で済み、ウィービングを習得時の満足感を残したまま、与えるダメージの差を縮めていきたいと考えています。
ご参考までに、ESOの多くのハイエンドの体験やアクティビティに関しては、平均的なビルドでは軽攻撃だけで攻撃全体の15%~20%を占めており、これが実力差を生み出す大きな要因となっています。これを調整するために内部でテストを実施したところ、6%~11%のダメージの減少に成功しました。これにより、ウィービング習得時の感覚やその表現方法を維持したまま、より小規模で健全なギャップを実現することができるのです。
この調整によってアイテムセット、パッシブ及びバフに数多くの変更を加え、クラスが生成するダメージのバランスを保つことができるようにすると同時に、PvEとPvPに不健全なゲームプレイを引き起こすことなく、ビルドがこれらの行動を増強できるよう支援したいと考えています(強攻撃ビルド愛好者の皆さまの声はきちんと届いているため、その側面を改善するのが狙いです)。
戦闘効果
アップデート第35弾で相当の時間を費やした異なる側面は、戦闘能力を向上させるためのもう一つの大きな方法である、ESOの効果の継続時間です。ウィービング以外で戦闘における有用性を左右するのは、ダメージ・回復・シールドなどのイベントを出力する能力です。これは、グローバルクールダウンのシステム内で制限されているアビリティの発動に紐づいており、アクションバーからアビリティを発動すると、他のアビリティが1秒間使用不可になります。これを回避するには、連続して発動する必要のないパワーやイベントを追加できる行動を選択することが求められます。これらはしばしばバフやデバフのアビリティ、あるいは継続ダメージや継続回復のアビリティとして考えられています。このようなアビリティを可能な限り長く維持することで、戦闘での可能性が劇的に向上し、新たな分野を習得するだけでなく、パワーの差を生み出します。
現在、これらのアビリティの多くは10秒間に1回しか発動できないため、最大限の効果を発揮するには10秒に1回発動する必要があります。合計10個の有効なアビリティ枠を自由に使用可能なため、ほぼすべての枠にこれらのアビリティをロードし、使用した効果の継続時間に基づいて戦闘での貢献度を高めていくことができます。戦闘におけるウィービングとの関わり合いにより、これらの効果を発揮し続けるためには、高いAPM(Action Per Minute:1分につき実行可能なアクションの数)が必要となります。さらに、これらの効果を可能な限り維持するためには、強固なローテーションが必要であるという現実を生み出しています。その結果、アクションバーにプレイヤーの視線を集中させてしまい、画面上の行動から目を離してしまうという状況を生み出しています。これらは画面上のさまざまな行動を常に監視し続けることが求められる爽快な戦闘体験を提供する反面、効果的な行動を取るために必要な速度に圧倒され、困難が伴う可能性があります。
そのため、アップデート第35弾では、主に継続ダメージ、バフ及びデバフなどの効果の継続時間を延長することにしました。私たちは継続時間を延長することにより、多くの戦闘ローテーションにおける負担を軽減し、アクションバーでバフやデバフを調整するよりも、目の前の行動に集中することができるようになると考え、このゲームがよりプレイしやすくなることを期待しています。
現在これらの効果のほとんどは、詠唱されるごとにその継続時間にわたって多大なパワーを提供しており、単にこれらの継続時間を延長するだけでは、既に過剰になっているパワーをさらに増大することになるだけです。この問題に対処するため、延長した継続時間を考慮しながらさまざまな値を調整した結果、詠唱ごとの効果は全体的に向上させ、発動中の1秒あたりの効果を減少することにしました。この変更により、多数のビルドの潜在的な上限を下げる一方で、多くのプレイヤーがこれらの効果を容易に有効にしておくことができるよう、基本的な体験を向上することができます。簡単に言うと、これらのアビリティの1秒あたりの潜在的な与ダメージを下げつつ、全体的な出力を増加します。
例えば、以前は継続ダメージに伴った効果の場合、不意打ちなどの「連続」攻撃は継続時間10秒間に1.5倍のダメージ、つまり1秒間に0.15の相対ダメージを与えていました。今後は、継続ダメージに伴った効果では、連続攻撃の2倍のダメージを20秒間与えることになり、詠唱ごとのダメージを増加させながら1秒あたりの相対ダメージを0.1に抑えます。これに従い、多くの継続回復に伴った効果は、継続ダメージと比較した際に過剰な効果を発揮しないように値が調整されますが、PvE環境での影響力は以前と変わらずに維持されます。
その後もお互いのバランスを保つために、両方に対して既存のクラスのアビリティとパッシブのパワーを広範囲にわたっての条件を満たす必要がありました。そのため、PTSパッチノートでは大幅な数値の調整を計画しています。これにより、ビルドの最適化及びプレイ方法に多くの変化が生じることは承知していますが、これらの基準への移行が完了する頃には、ゲームがより楽しく、誰もが利用しやすくなっていることを期待しています。
上記の調整が行われた後に実施される数回のアップデートでは、その結果として生じるバランスの問題に焦点を当て、最初に混乱が発生した後は、素早く変化の違和感が軽減されることを期待しています。今回の調整によって生まれる議論と今後予定されているPTSサイクルへの初期のフィードバックを注視していきたいと考えています。これらの変更は規模が大きく、一つの基準に対する変更が多数の特定のアビリティに影響を与えるため、調整にはもうしばらく時間がかかる可能性があることをご了解ください。
今回の説明により、今後予定されている変更における私たちの目標を少しでもご理解いただき、その件数に心構えをする一助となることを願っています。これは決して簡単なプロセスではありませんが、プレイヤーの皆さま並びに私たち自身が愛するこのゲームを改善するために、ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。皆さまの旅路が楽しい冒険になることをお祈りするとともに、タムリエルでお会いできることを楽しみにしています!
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これらの変更はすべてアップデート第35弾のベースゲームパッチの一部であり、全ESOプレイヤーの皆さまが購入不要でご利用いただけます。戦闘の変更については、他のプレイヤーとフォーラムで話し合うことができます(※リンク先は英語表記となります)。コミュニティの皆さまのご意見、ご感想をお待ちしてます!