リーチの民を支配することは、本当に可能なのでしょうか?それを成し遂げられる力、そして意思を持つ者が1人だけ存在します。最新のキャラクター特集で、不屈の「マルカルスの暴君」アルド・カダッチについて学びましょう。
イティニア評議員の密偵、ヘルヴァー・ターペリアンからの手紙
高貴なる評議員イティニア様
貴女の書簡を「マルカルスの暴君」ブラック・ドレイクのカダッチの元へ届けたことをご報告いたします。
貴女のご期待通り、宝石が詰まった貴品箱を贈ったことで、マルカルスの支配者に貴女の提案を伝える機会に恵まれました。
しかし残念ながら、アルド・カダッチは如何なる形であれ私たちが現在抱えている問題に関わろうとは考えておりません。
マルカルスの暴君と私が最後に交わしたやりとりを申し上げれば、もはや私には為す術もないと貴女にご納得いただけましょう。
貴女の指示通り、私はアンダーストーン砦の玉座の間で貴女からの贈り物と書簡をカダッチに渡しました。
カダッチは逞しい体を持ち、黒いあごひげと暗く鋭い目をした、中年期に差し掛かった屈強な武将です。
リーチの民が好む寄せ集めの皮革や骨でできた服を身に纏い、王座の間であろうと関係なく腰に広刃の剣を携えていました。
それらのあらゆる猛烈で野蛮な装いが、彼の何気ない一瞥によってさらに威圧的なものとなったのです。
私が玉座に近づくと、彼は問いただしてきました。「何だ?貴様は何者だ?帝都から私の砦にどんな戯言を持ってきた?」
「元老院のイティニア評議員よりご挨拶に伺いました。」と私は口を開きました。
「彼女より貴殿へのご提案を預かっており、詳細はこの書簡に記されております。読み上げてもよろしいでしょうか?」
「私が字を読めんような阿呆だとでも?書簡を置いて立ち去るがいい。」と彼は言いました。
リーチの民の多くは文盲で、実際に私はカダッチが読み書きができるとは聞かされていませんでした。
ともあれ、この事には触れないのが最善だと思いました。
彼が貴女の書簡を破らなかったのは幸運だったと言えましょう。
カダッチからの呼び出しがないまま8日が過ぎ、私は彼の支持を得ることはもう叶わないと落胆していました。
しかし、彼の直属の護衛として知られる石の手の1人が私を訪れ、彼のところへ連れていきました。
驚いたことに、私はアンダーストーン砦の玉座の間ではなく、
古代のドワーフが街を守るために石で造った高い城壁へと導かれたのです。
そこで私はカダッチが壁の上に立ち、その帯には私が届けた書簡が挟まれているのを目にしました。
北の雪山からは極寒の風が吹きつけ、私は寒さに歯を鳴らさないよう必死で堪えました。
「ブラック・ドレイクの長よ。」私はお辞儀しながら言いました。
「つまりこのイティニアとやらは、私を王にしようと考えているのだな?」カダッチは尋ねました。
ようやく、彼は貴女の書簡の内容を把握したようでした。
「その通りでございます。」私は答えました。
「摂政女帝はここ何か月間も行方が知れず、ルビーの玉座を空けたままにすることはできません。シロディールをはじめ、タムリエル全土が貴殿を必要としています。三旗の戦いに終止符を打つことができるのはブラック・ドレイクの長である貴殿だけなのです。」
「シロディールがこの私を?」カダッチは大声で笑いました。
「私はシロディールなどどうでもよい。これが答えだ。貴様らの偉大なルビーの玉座に座れば、1年も経たずに殺されるだろう。」
「しかし、貴殿はブラック・ドレイクの最後の末裔、先代の王家に最も近い血縁者なのですよ。」私は抗議しました。
「他の誰が王位継承の権利をお持ちだと言うのですか?」
「最後のブラック・ドレイクだと?ならば最後のブラック・ドレイクを見せてやろう。」カダッチは答えました。
すると彼はいきなり私の腕を掴み、私たちが立っていた高い壁の縁まで引っ張りました。
私は彼の鉄のような拳を握り、身をよじらせ、転落しないよう必死で体勢をとりました。
そして、彼は私たちのはるか下にある暗い石を指差したのです。
「あれが最後のブラック・ドレイクだ!」彼は私に怒鳴りました。
「叔父も、従兄弟も、私に捕らえられた者は残らずこの壁の下で衰弱し、死んだのだ。私はまさにこの場所から彼らを投げ捨てた。皆、貴様の王や貴族の操り人形になろうと望んだ愚か者だったからだ。貴様の主君は新しいロングハウス帝なんぞ望んではいない。奴が望むは、己の言いなりに動くリーチの民という下僕だ。」
「イティニア評議員に伝えるがいい。我こそはカダッチ、マルカルスのアルド!暴君の異名を持つ私に仲間など要らぬ!この足元に広がる石城こそ我が王位の証。再びシロディールに赴けと言うならば、その時はリーチの大軍の先頭に立とう。イティニア評議員はそれが望みか?」
正直に申し上げて、私はアルド・カダッチの問いにどう答えるべきか分かりませんでした。
カダッチが私を縁から引きずり戻して解放してくれるまで、私は彼の腕にしがみつき、
「いいえ!そんな!私には分かりません!」などと叫んでいたと思います。
そして、これ以上の説得は命に関わると感じ、逃げ出してしまいました。
この手紙が一刻も早く貴女のお手元に届くことを願っております。
私はカダッチの目に届かぬよう、このマルカルスにて貴女のお返事をお待ちしております。
しかし率直に申し上げますと、カダッチに再びこの話を持ち掛ける術はなく、
マルカルスの暴君を二度に渡って立腹させるのが得策とは思えません。
敬具
ヘルヴァー・ターペリアン
リーチは闇の勢力に包囲され、マルカルスの戦士王でさえも来たる戦いには同盟が必要です。
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スカイリムの闇の中心は、11月2日にPC/Macに登場するDLCゲームパック「マルカルス(Markarth)」で終焉を迎えます。