上級王エメリックはブレトンの商人貴族の出身だ。彼は巧みな政策と卓越した外交により、ハイロックの王たちの信頼を勝ち取るのみならず、レッドガードと政略結婚により同盟を結び、さらにはオークとの軍事同盟まで結ぶことに成功した。彼はハイロックのウェイレストを拠点に統治をしている。
ダガーフォール・カバナントとは、タムリエル北西に住む3種族がルビーの玉座を取り戻すという共通の目的のために上級王エメリックの元に結束した同盟だ。
3種族の中で、ブレトンは魔法と外交交渉に長ける。オークは屈強な戦士でありながら、鍛冶の才も持ち合わせ、タムリエルの最高の武器と防具を生産している。レッドガードは卓越した運動能力を持ち、幼少の頃から優れた戦士となるべく育てられる。
ダガーフォール・カバナントは様々な能力を備えており、一目置かれる存在だ。
ハイロックの人間はかつて、ハイエルフの大君主たちに統治されていた。そのため、ハイロックの民であるブレトンには今でもエルフの血がわずかに混ざっており、他の人間にはない魔法の素養を持っている。ブレトンは情熱的で大胆、知的で機転が利くため、腕利きの職人となる者もいれば、狡猾な商人となったり、勇ましい騎士や独創的な魔法使いとなる者もいるが、高慢で口論好きな面もある。ハイロックの歴史の大半は、ハイロックの王国同士の争いの歴史だ。とはいえ彼らの大半は八大神を崇め、栄光を追い求めることよりも繁栄を重視する。
ハンマーフェルのレッドガードは筋骨たくましく、非常に有能な生まれつきの戦士だ。彼らは砂漠の民で、その祖先は失われた大陸ヨクダからタムリエルに渡ってきた。彼らの文化を支える柱は二本。太古から伝わる伝統を守り通すこと、そして厳しい環境に耐えぬくことだ。彼らは名誉と誇りを何よりも大切にする。そして世界の神秘には深い敬意を払いつつも、魔術的なものに対しては不信感を示す。彼らの首都はセンチネルの商港だが、心の故郷はアリクル砂漠の奥地だ。青年期のレッドガードは、試練の儀式としてアリクル砂漠の孤独な荒れ地ですごし、肉体と精神を試される。その試練を生き延びるのは、もっとも屈強な者だけである。
オークは他の種族からみれば蛮族であり、獣のような存在だが、彼らは誇り高い戦士の一面も持つ。オークたちは厳しい山岳地帯に住み、絶え間なく戦争を繰り返しながら、独自の古い文化を培ってきた。オークの掟は単純だ。強い者だけが生きる資格を持つ。そして一番強い者には王者として支配する資格を持つ。オークはタムリエルでもっとも優れた鍛冶屋を輩出し、彼らの作る武器や鎧は各国の戦士に重宝されている。第二帝国の時代、オークの王国オルシニウムはついに帝国の一つの管区として認められ、復興した。闇の勢力の侵攻により、帝都の崩壊と共に再び失われてしまった祖国の復興のため、第二帝国の復活を目的とするダガーフォール・カバナントに忠誠を誓う。
ダークエルフたちはノルドやアルゴニアンを見事に言いくるめて味方にしてしまったようだが、これはいったいどのような不思議な魔術のなせる技なのだろうか。エボンハート・パクトの同盟関係は随所で軋みを上げているが、非常に危険な相手であることには変わりない。
アルドメリ・ドミニオンは、エルフが再びタムリエルを支配する世の中を目指している。しかし、かつては人間やオークがエルフの奴隷として扱われていた時代もある。それだけは繰り返してはならない。