エルダー・スクロールズ・オンライン goldroad

サマーセット(Summerset)のBGMとサウンド担当のチームの紹介

サマーセット諸島は景観がとても素晴らしいですが、目で楽しむことが出来るのと同じくらい耳にも心地いいのです。
エルダー・スクロールズ・オンライン:サマーセット(Summerset)をユニークなものにしたサウンドとBGMを担当したチームと、その制作過程についてご紹介します。

美しいサマーセットの見た目と同じぐらいユニークなサウンドは、新章の開発中、ESOのオーディオチームのリーダーであるBrad Derrickと彼のチームは新章を新しいBGM、音声、効果音で満たすために一生懸命取り組みました。
その結果、プレイヤーの皆様をハイエルフの故郷に完全に夢中にさせることができたのです。

音で満ち溢れた世界

「新章を制作している時、私たちは本当にダイナミックで生き生きとしたこの世界のサウンドを制作するために多大なる努力をしました。
すべての音が、プレイヤーの皆様が想像した通りのものにすることにはとても苦労しました」とDerrickは話します。

このゲームをできるだけ実体験のように感じることが出来るように、このチームは、長い年月をかけて彼らが作り上げてきたきた、32,000以上という膨大な量のユニークなサウンドコレクションを所有しています。
このコレクションには、アニメーション、物、モンスター、NPC、UI、環境などのサウンドも含まれています。

「モンスターとNPCだけで、15,000以上ものサウンドがあります。
攻撃した時や攻撃を受けた時など、モンスターやNPCが戦闘中に作り出すサウンドには様々な声色があり、一部のモンスターは150から200以上のユニークなサウンドを出すことが出来ます」と、チームのシニアサウンドデザイナーの1人であるBill Muellerは説明します。

ゲーム内のほぼすべてのものには、ゲームの中で最も一般的なアクションの様々なバリエーションのサウンドを含む、独自のユニークなサウンドが使用されています。

「私たちはサウンドに出来るだけ多くの多様性を加えたので、サウンドが過度に反復することはなく、ESOのようなゲームにおいて重要なこととなります。
例えば、プレイヤーキャラクターが歩いている時の足音のサウンドは約100種類あり、走ったり忍び歩きをしている時のサウンドとは、また異なるものです」とMuellerは説明します。

プレイヤーの皆様がサマーセットで聞こえるサウンドの大半は、チームが所有している膨大なコレクションの中から選ばれていますが、彼らはハイエルフの故郷をユニークなものにするために、ゼロから制作した新しいサウンドもあります。

「サマーセットの雰囲気を作り出すために、ゲーム内の他のロケーションと比較してこの場所がいかに魅惑的であるかをほのめかす方法を見つけようとしました。
これを行うために、多くの残響音とディレイ音の処理を行った実世界のチャイム音と、似た性質を持つ多数のシンセのソフトウェアを組み合わせて使用しました」とサウンド・デザイナーのBrian Brockettは説明します。

下記のプレイヤーから、サマーセットの雰囲気を体感することができます:

Brockettが制作したチャイム音の多様な組み合わせを試し、彼はサマーセットの雰囲気に最終的に合う様々なサウンドを作りました。
プレイヤーの皆さまは、この魅惑的なサウンドは、神秘的なアルテウム島で最も頻繁に繰り返し流れていることに気づくことかと思いますが、注意深く聴くと、サマーセット自体でもそのサウンドを定期的に聴くことができます。
このサウンドが、サマーセットの魅惑的でユニークな特徴を思い起こさせることでしょう。

ハイエルフに声を吹き込む

エルダー・スクロールズ・オンラインの新たな冒険は、出会うこととなる多くの興味深くユニークなキャラクターなしでは有り得ません。
キャラクターそれぞれに独自の性格や声があるため、サマーセットのような新章の制作には、多くのVO作業があるのは言うまでもありません。

「サマーセットのユニークな会話には、7,224もの台詞があります。
この章のためだけに、私たちはスタジオレコーディングに合計108時間費やし、全部で35人の声優と37回の個別セッションを行いました」と、ゲーム内音声のアレンジ、レコーディング、制作を担当しているVOスーパーバイザーのBecky Ichnoskiは話します。
※日本語版は46人の声優です。

ESOでは、ゲーム内の無数のユニークなキャラクターに独自の声を吹き込むことはチームにとって非常に重要で、ゲーム内のVOを準備する時にはどんな努力も惜しみません。
これには、作家からもらった脚本を整え、声優を指導し、レコーディング、制作、そして最終的にゲーム内にこれらを加えることが含まれています。

彼らがレコーディングするキャラクターに応じて、声優に与える指示の量も変化します。
これは特に新しいキャラクターに当てはまります。

「時々、私たちの作家は、特定のキャラクターを参考として念頭に置いています。
例えば、夢見の館のクエストラインのキャラクターであるアルケミーには、ライター兼デザイナーのTori Doughertyは『華麗なるギャッツビー』のデイジーを引き合いに出しました。
これは、アルケミーの声優であるJulianne Grossmanにとって、その役をうまく演じるには十分でした」とBeckyは説明します。

しかし、キャラクターの音声をレコーディングする際、チームはどのようにサマーセットのハイエルフの横柄さを表現したのでしょうか?
結局のところ、彼らは確かな評判を得ているのです。

「私たちは常に大量のVOリファレンスを手元に所有し、声優に聞いてもらいます。
そして、『上流階級』『貴族』『上品』『礼儀正しい』『傲慢』などの複数の指示を与えることで、高慢なアルトマーとなったのです!」

太古の世界と新しいBGM

新章のための効果や吹替作業に加えて、チームは吟遊詩人の歌やDerrick自身がすべて作曲した新しいサウンドトラックを含め、新しいBGMを制作しました。

「サマーセットやチャプターには通常、ゲーム内に新しいBGMを約1時間分追加します。
私たちはオーケストラのレコーディング、専門的なミキシング、マスタリングに全力を尽くしました」とDerrickは説明します。

チームはプレイヤーの皆さまが期待するElder ScrollsのBGMのようなサウンドを、すべての新しいサウンドトラック用に制作しましたが、その1つ1つがチームにとって、何か特別で新しいBGMを制作するための機会でもありました。

「Elder ScrollsにはBGMのスタイル基準がありますが、時間とともにユニークさがアップデートされてきたため、このスタイル基準を少し前進させることができました。
Elder ScrollsのBGMのように感じるだけでなく、様式的にはっきりと異なっているものだと感じさせる必要があります。」

サマーセットのBGMを作曲する時、Derrickは以前のESOのサウンドトラックとは明らかに異なるサウンドをこの章に加えるために必要なものは、管楽器であると見出しました。

「私たちは長年にわたって多くのオーケストラのセッションを行ってきましたが、一度も管楽器のパートはありませんでした。
私たちのすべてのBGMはいつも、弦楽器、金管楽器、多くの打楽器から構成されており、BGMが少し暗くなっていました。
もちろん、オーケストラの中には管楽器の演奏者や独奏者がいましたが、決してフルアンサンブルとして演奏したことはありませんでした。」

フルの管楽器のパートがチームに参加できるよう、オーケストラの構成を変更したら、違いはすぐに明確にわかりました。
この構成はもちろん、サマーセットのテーマ曲にも適用され、以前のサウンドトラックに比べ、大げさではなく、幾分か優美に仕上がりました。
間違いなく、サマーセットのハイエルフにぴったりなBGMです!

「管楽器のパートを追加したことにより、多くの異なる音程、音色、テクスチャーを感じることができ、壮大な金管楽器のパートは、管楽器の背後すべてにある必要はないのです。」

下記のプレイヤーから、サマーセットのメインテーマ曲を少し視聴することができます。
まもなくリリースされる完全版のESO:サマーセットのサウンドトラックをお見逃し、お聞き逃しなく!
※日本での販売は未定です。販売が決定しましたらお知らせします。

新しいメインテーマを制作するということは、Elder Scrollsのオリジナルのメロディーを振り返り利用するということでもあり、よく知られたメロディーを選びながらも、そのメロディーを新鮮で魅力あるものへと変身させるのはDerrickの肩にかかっています。

「Elder Scrollsのテーマの本質は見かけによらずシンプルなため、機械的に難しくありません。
非常に柔軟であるため、壮大でドラマチックにしたり、穏やかで落ち着いたBGMに作り変えることも可能です。
私にとって、まるで小さな音楽のルービックキューブのようなものです。
必要なのは別の面からもってきた音楽のピースをそこに投入し、反転させ、上下を逆にしたりするだけのことです。
もし皆さんが音楽オタクであれば、すぐにそれに気づくことができるでしょう。
仮にオタクでなくとも、皆さまの潜在的な意識はきっとその点に気づくことでしょう。」とDerrickは話します。

先を見据えて

エルダー・スクロールズ・オンラインのBGM作成となると、チームはいつも大所帯となり、直近のアップデートのためにBGMを作ることのみならず、その後にリリースされるコンテンツについても取り掛かることができます。

「チャプターのためのセッションをしていると、後々使えるような素材を沢山得られます。
オーケストラや聖歌隊だけではなく、ヴァイオリン、フルート、民族楽器等を演奏する12人ほどの独奏者が参加します。
そして私はその演奏家の皆さんが即興で演奏しサウンドを重ねることができるような曲を作ります。
その曲というのは、特定の目的をもって作られたものではないので、何曲かはチャプターに採用されますが、後のアップデートに採用されることになる素材がいつも沢山生まれます」とDerrickは話します。

例えば、Derrickと彼のチームは、サマーセットに必要なものすべてを集めている間、最近E3で発表された次のDLCであるマークマイア(Murkmire)のレコーディングも行っていました。
この新しいコンテンツでは非常にユニークな植物があるアルゴニアンのジャングルの奥深くを探検することとなり、サマーセットとは全く異なる体験をすることができます。

「マークマイアが登場することを知り、西洋のスタンダードなものに留まらず、沢山の興味深い管楽器のサウンドを追加することにしました。
すでにこの時点で、私にはマークマイアがどのようなサウンド発するのかのアイディアがあり、管楽器が最適なものであるとの結論に至りました。」

新たなゾーンを探索する時、私たちを楽しませてくれるようなユニークなサウンドが沢山あります。
エルダー・スクロールズ・オンライン:サマーセットで、ESOのオーディオチームは実に特別な物を作り上げました。
ハイエルフの故郷で流れる、ゆったりとしたサウンドやBGMについてどう思いましたか?
Twitterにてお知らせください。

エルダー・スクロールズ・オンライン:サマーセット(Summerset)は、PC/Macのプラットフォームでプレイ可能です。

 


最新ニュース