「帝都では大変だったそうですのぅ？」
「うん、モルドラが応援に行ってパクられてもうてなぁ、コールドハーバーの拘置所に面会に行った帰りなんや。
あんたに力になってほしい言うとった」
「そうですか・・・」
「それでまぁ、相談がてら寄ったんやけど、どやろ？ラズム・ダーの兄弟はアイレン女王の跡目に決まりそうか？」
「この者の口からはなんとも言えんですが、この者はそのつもりで動こう思うとります」
「まぁ、頼むで！それとなぁ、ラズム・ダーはサマーセットのアイレン女王とはどういう関係や？」
「どういうて、、アイレン女王の舎弟ですよ？」
「はっきり盃した間柄か？」
「そうですが、何でですか？」
「けったいな真似してけつかる。あいつ、エメリック王に直盃の舎弟にしてくれんかて言うて、魔術師ギルドを介してマラヤ王妃に頼んであるらしい。まあ、そりゃええけども、この者には一言の断りもなしや。そんな大事な話を、おまえ、兄弟分のこの者に内緒にしておくやなんて、三千世界のどこにある。第一、戦士ちゅうもんはや、直盃の兄貴分を二人と持たんちゅうんが鉄則や。なあ、エルスウェーアの戦士は盃ちゅうのをどない考えとんや？」
「あの人は戦士いうても事業家ですけん筋が分からん事もあって、この者の顔に免じてこらえてつかぁさいや」